上杉顕定(2014 Facebook記事を修正)

上杉顕定 古河公方との対立と関東の大乱
森田真一(著)
戎光祥出版(2014/12/10) 2,500円(税抜)

 上杉顕定は、古河公方・足利成氏と戦った関東管領・上杉氏の総大将。30年近い享徳の乱の後半に活躍した後、第2代公方・政氏期には関係を修復。室町期の公方・管領の協調体制を再建し、戦乱のなかにあって再び秩序を取り戻そうとした人物と考えられています。しかし公方家・上杉家それぞれの内紛に悩まされ続けました。

 最新の研究が良く反映されており、文章も読みやすい本です。タイトルから受ける印象と比較すると、上杉顕定本人の事跡については淡白。顕定期の山内上杉氏の全体動向を詳しく解説しており、関東の大乱と呼ばれる享徳の乱、長享の乱、永正の乱について知りたいときには良いと感じました。ちなみに、この時代の次に小田原北条氏の活躍が目立つようになってきます。

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