謎の野木城(2015 Facebook記事を修正)

 野木城は栃木県野木町野木の、「のぎ水辺の楽校」のある湿地に三方を囲まれた、舌状台地にあったとされます。

 迅速測図と航空写真を見ると、確かに築城したくなる絶好な地形です。しかし、そもそも本当に城跡なのかが不明確です。野木町史歴史編にも「耕地の開発による地形改変が著しく、現状では中世城館跡としての明確な遺構を認められない」とされています。城主についても、野木氏とする文献や、「日光道中略記」をもとに小山市の家臣とする説がありますが、野木町史歴史編は、どちらも根拠が弱いとしています。
 同町史には更に「耕地の開発による地形改変が著しく、現状では中世城館跡としての明確な遺構を認められない」と書かれています。古河志によると、江戸時代の野木城跡は東南から西側に向けて少しずつ高くなっていたようです。 当時から城跡らしいという話はあるものの、実態は良く分からなかったようです。

 現在は少し離れた場所にある「はくうんの木公園」に、城跡の説明板が設置されています。

引用
 駅路の西壱町余へだたれり。東南は平地にして漸々登り、西方極まりて山となり、城外は麓也。此所人の口碑に残りて誰が住しか伝わらず。・・・いとあやしき物ながら、関東八州義古址鑑と云一枚に摺りたるものには、野州野木城主野木五郎時基とあれば、・・・

出典
 独立行政法人農業環境技術研究所、歴史的農業環境閲覧システムに加筆
 国土地理院航空写真に加筆

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