古河の姫君と諏訪の姫君②(2015 Facebook記事を修正)

 諏訪の姫君は小説により有名になったヒロイン。新田次郎氏「武田信玄」では「湖衣姫」(こいひめ)。 井上靖氏「風林火山」では「由布姫」(ゆぶひめ)。文献では諏訪御寮人。国史大辞典では小見氏。本名は不明。生年は諸説あって不明。1555年死去。 武田信玄の側室で武田勝頼の母親。

 諏訪氏は諏訪大社神官の大祝(おおほうり)の家柄で、古事記など日本の神話に出てくる神様を祖にもつ異色の戦国大名です。そんな諏訪氏の19代目当主、諏訪頼重の娘が諏訪の姫君です。信玄が諏訪地方を攻め落とし、諏訪頼重を害して、その娘、諏訪の姫君を側室としたのでした。信玄の息子にして諏訪家を継ぐ勝頼を産みますが、体が弱かったのか勝頼が9歳の時に亡くなってしまいます。

 実際これ以上の史料がないのが事実。名前が不明で敵の妻となり、敵の息子を宿さねばならなかった境遇は、古河の姫君と相通ずるものがあります。

 この2人の姫君はその縁故の土地で愛され、現在それぞれまちおこしのキャラクターになっています。そのキャラクターの紹介はまた別稿で。

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