古河公方とは9.氏姫? それとも、氏女?(2015 Facebook記事を修正)

 本名不詳ですが、『古河市史 通史編』には「氏女」とあります。古河公方の系図として有名な『喜連川判鑑』に氏女と記載されているためでしょうか。また、氏姫をイメージしたと思われる、古河市文化協会のマスコットキャラクターは、桃香と名付けられています。

 しかし、『古河市史 通史編』を書いた佐藤博信先生自身が、『古河市史研究』 No.6 や、最近の『戦国遺文 古河公方編』には「氏姫」と表記しており、試行錯誤をされているようです。また、阿部能久先生や黒田基樹先生など、他の専門家も「氏姫」と書いていることが多く、最近はこちらの方が一般的かもしれません。

 従って、「氏姫」も「氏女」も間違いではありません。結婚後であるなら、姫でなく女のほうが違和感がないように思います。

参考文献
 『古河市史 通史編』 古河市 (1988)
 『古河市史 研究 』No.6「古河氏姫に関する一考察」 古河市 (1981)
 『戦国遺文 古河公方編』 東京堂出版 (2006)

追記 書状など文献記録では、婚姻前になりますが「古河姫」と記されています。

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