(2015 Facebook記事を修正)
茨城・栃木・宮城を蹂躙した2015年の台風18号。渡良瀬川の水面も7m以上上昇し、標高18m代まで水が上がったことになります。古河城跡である渡良瀬川河川敷も当然水底です。そんな古河城、有名な話ではありますが洪水対応マニュアルがありました。
分かりやすく書きますと、
水位が1丈2尺(約3.6m)まで上昇したら、船奉行は1尺増水するごとに報告してください。
1丈3尺(3.9m)になったら、高台である出城に避難する準備をしましょう。
1丈5尺(約4.5m)上昇したら、拍子木をカンカンならしますので、
領地の証明書(領地朱印状)などを出城へ移動し、みなさんも避難しましょう、という内容です。
以下、出水時対応の御触れです。(諸御触記 明和五年六月一六日)
一 出水之節
一 一丈二尺ゟ五尺まで 役所ならびに御城内水附候注進、但一丈三尺にて退用意
一 一丈三尺ゟ五尺まで 外ヶ輪水附注進、但一丈三尺にて退用意
一 壱丈五尺ゟ余は注進無之候
右町奉行定受
一 御城に船入り置き候儀は、一丈三尺ゟ見斗、差出置き申候
一 只今迄一丈之注進斗申達候得共、巳後は相止、
右船奉行
一 一丈五尺にて御城内外水付、早拍子木、
一 一丈五尺ゟ館野庄蔵出役、
一 諸々仕向之儀は一丈三尺ゟ、
一 御家老中に注進之儀、一丈二尺ゟは町奉行所ゟ一尺々々注進御座候付、役所ゟ其段不申上候、御水宿に御退被成上候上は、町奉行ゟ注進次第、水の増減役所ゟ可申上候事、
右出水之節、是迄一丈三尺にて水附候面々、水宿に退候様、未年被 仰出候得共、大概水出之模様何も馴候故、先御代一丈五尺にて退候段、巳来一丈五尺にて退候ても不苦候段、館野庄蔵申聞候付、御家老中御申達候処、其通相改候様被仰聞、御朱印並びに御道具御馬之儀、御広間大納戸馬役に申渡し、水附候は、一丈三尺にて退用意町奉行ゟ為知、一丈五尺に相ならば、早拍子木為打候間、其節水宿に退く様廻状にて申触候
参考文献 古河市史編纂委員会(1984):「古河市史 資料近世編(藩政)」
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