関戸の蕃山堤・蕃山溜(2016 Facebook記事を修正)

 関戸の丘里工業団地の南側に、気をつけていないと見落としそうな小さな公園(蕃山公園)と池があります。江戸時代の陽明学者、熊沢蕃山ゆかりの史跡「伝蕃山堤」です。古河市のホームページにも「蕃山溜」と紹介。しかし説明が簡単で、これだけでは実際に訪れるのは難しそう。現地に行っても、知っていないと、蕃山ゆかりの史跡とは気付きません。

 現在の丘里工業団地一帯は昔、雑木林でした。その南側は、林を水源とした湧水が集まり、沼沢地になっていたそうです。言い伝えによれば、熊沢蕃山はここに堤を築くことで、水を集めて溜池とし、さらに南側の水田に導水して、米の増産を計りました。明治期にはまだ、北側3か所から水が入り、南側3か所から水が出ていたようです。大正末期に池が掘り下げられ、公園化事業も行われたため、様相が変わっていますが、溜池北側の一部に堤の痕跡があります。

 場所は、古河駅から十間道路を東に 4.5 kmほど進んだ丘里工業団地・ヤマザキナビスコの工場近辺です。十間道路から島崎内科クリニックの東側の道路を南に入り、150mほど進むと、左手に蕃山公園入口が見えてきます。

参考文献
 『総和町史 通史編 近世』総和町(平成17年)
 『そうわの文化財』6号、総和町(平成9年)

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