(2016 Facebook記事を修正)
古河駅西口からまっすぐ西へ350mほど歩いて行くと、ジョイパテオ。そして、その中庭にはタブの木が枝を広げています。タブの木は温暖な地に分布するクスノキの一種。このあたりではあまり見かけません。以前は、マスダの西側・坂になった道路の反対側にあったと言います。
今はジョイパテオの隣「グリーンミユキ」というマンションがあるところが、昔のスーパー・マスダ。さらにその昔は料亭「百尺楼」でした。このタブの木は、白銀稲荷の傍らにあったご神木でした。まちの移り変わりを、ここで静かに見つめ続けてきたことでしょう。個人で管理されていましたが、維持が困難になっていたところ、昭和54年(1979)にジョイパテオが譲り受けました。
この植替が大仕事で、鉢付の大きさは四畳半にもおよび、吊り上げるときは30トンクレーンを使用。移動の際には、夜間に道路を封鎖し、一旦、大木化粧品店前まで運んでから左折、さらに本町二丁目交差点で左折、そしてもう一度左折して現在の位置へ。250m ほどの移動距離ですが、電線を気にしながらゆっくりと移動。夜11時から早朝4時までかかったそうです。費用も相当のものだったと思います。それでも、このまちの先輩は、昔からの名木を大切にしてきたのでした。
参考文献 『古河通史 下巻』柏翠会(平成4年)
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