(2015 Facebook記事を修正)
北川辺の、本郷(ほんごう)と栄(さかえ)について。
本郷は渡良瀬川と利根川が合流するあたり。 本郷という地名は通常、新郷に対する元の村という意味らしいのですが、北川辺の場合は異なり、小丘を意味する「本江」だろうと考えられています。確かに渡良瀬川沿いの小高い自然堤防上にあるように見えます。
本郷の小字名
【丑持(うしもち)】は河畔沿いの後背湿地から生じた地名。
【根河原(ねがわら)】は河原沿いの自然堤防に連なる低地であり、湿地との間の砂地だった地形より。
【古反前(こたんまえ)】は湿地・泥地を意味する「コタ」の前が転訛したと考えられています。
このあたりは、川と関係した地名が多いようです。
栄は、利根川沿い・本郷の北西。かつての前谷村と大曽村が明治9年8月に合併したときに定められた嘉名(おめでたい名前)です。
栄の小字名
【高野(たかの)】は山と無縁な地形から考えると、もとは「鷹野」で、古河藩の鷹狩りに関係した地名。
【鷹匠(たかじょう)】も同じく古河藩の鷹狩りに関係した地名。
【居尻(いじり)】は、「イ」が水路・井の意味、シリが末・終点の意味なので、昔ここにあった大曽沼(越中沼)の端の意味と考えられています。なお現在の大曽沼はほとんどが農地に変わっています。オニバス自生地もその一部でした。
参考
『古河通史 下巻』柏翠会(平成4年)
『北川辺の民俗(一)』北川辺町(1984年)